男が家事に対する意識が低いのが問題? 根本的なのは男女の役割に対する社会的な意識が問題なのではないか?
共働き家庭で、女性(妻・母)の負担が大きく偏っているという。
YAHOO!トピックスに下のような記事が出ていた。
内容的には主に共働き家庭における妻の負担が重い事例をいくつか示し、男性と女性の認識の違いなどを説明した上で、上手く家事を分担することが大事だ、ということだ。
さて、自分はいつもこういう記事を見ると思うことがある。
と、その前にここでは主に女性が不満を抱いているとの記事でしたから、「主力の家計支持者は男性だ」という前提で考えている。というより、女性が家計支持者で家事も全部やってたら、旦那はヒモですから、問題外ですよね。
で思うのが、相方がものすごく稼いでくる人だった場合、こんな不満はでるのだろうか?ということ。
例えば、同じ環境で年収1000万円の家庭と年収300万円の家庭だと、不満の度合いはどうなのだろう。
もちろん、記事の中にもあったように「もっと仕事がしたい」と思っている人は、相方の年収に関係ないのかもしれませんが、一般的に考えて年収が多ければ、というより、生活水準に不満がなければ家事の負担の問題は薄れやしないか?と思うのです。
①結婚相手に対しての期待年収から見えるもの
この前、結婚式場のアニヴェルセルが結婚相手に期待する年収をアンケートしたものを見たのでここで載ってた表を拝借する。リンクは一番下に貼ります。
ここでは男性だけの結果と女性だけの結果を載せているが、ハッキリ言って決定的に違っています。
男性は「年収関係なし~300万円以上」で80%以上を占めるのに対し、女性は「300万~500万円以上」で65%以上となっており、全く違う。
この結果だけ見れば、明らかに「男性は女性に収入を期待しておらず」「女性は男性に高い年収を期待している」ということが分かる。
となるとだ。やっぱり今でも男性が家計支持者として期待されており、男性もまたそれを自覚しているということになるのではないだろうか。
そして、この価値観は昔ながらの家庭観そのものであるように見える。
②夫の収入が多ければ、専業主婦もしくは妻の収集は少ない傾向にある?
そんなわけで、厚生労働省の資料に当たって、夫の収入と妻の収入の相関関係が分かりそうな資料を見てみました。
労働力調査という資料のV-1からです。
下の表は、そのV-1の中のデータを加工してみました。
一目見て分かるのは、妻の年収が300万円以下までで78%を占めるということ。やはり女性の年収は低めであることがわかります。
ところで、私は正直言えば、夫の収入が多くなるにつれて妻の収入はゼロ~200万円程度の比率が上がり、年収が低ければ妻の年収も上がるのではないかと思っていました。
しかし、この表を見る限り、実は夫の年収レベルは関係なく、女性もある程度働いており、その女性の収入水準は300万円以下が大半であるということになります。
ビックリしました。
こうなると、高所得家庭でも共働きは普通のことになっているようです。
しかし、こうなると自分の「旦那が高所得だったら妻は働かないので家事くらいできるのではないか」という仮説は崩れますね。
③結論
・結婚時はやはり男の年収を気にはしており、家計支持者は男性であるという観念は依然根強い。
・夫がそれなりの高収入であっても、妻も働いているケースが大半であり、共働き世帯はすべての年齢層に 広がっている。
この2点からすると、やはり家事をある程度分担することは必要だという結論になりそうです。
冒頭の記事にもあったように、家事に対する男女の認識の差もあるわけで、夫の方は手伝っているつもりのケースも多いようだ。
しかし、先の結婚時の意識のように、基本的に「家計支持は夫の役目」という意識が男女ともに強い状況では、その反面の意識として「家事は妻の役目」という意識が出てくるのはやむを得ないことのようにも感じる。
おそらく、この問題を根本的に解決できる時というのは、真の意味での男女平等が実現した時なのかもしれない。
しかし、少なくとも記事にあるように「男性や会社、行政の意識を変えればいい」という問題ではなく、ある意味女性の側も「家計支持は男の仕事」という基本的な概念を捨てなければ、この問題は解決しない気がする。
P.S.
何となくですが、高所得家庭の妻の収入はパートなんじゃないかと思うんですよね。
低所得者層では正社員でも安いわけですが、高所得者層では妻も何かしらの資格を持ってたりする率も高いでしょうから、パート時給が高いとかで。
もう少し調査が必要かも。
同じ低所得でも正社員とパートでは就業の負担はレベルが違うでしょうから。
アニヴェルセルのアンケートリンク