なでしこの伊賀FCくのいちの状況分析してみた

なでしこの伊賀FCくのいちの状況分析をしてみた。

 

とはいえ、自分は特別ファンというわけではない。

ただ、以前友人と見に行ったことがあるだけです。

 

しかし、やはり近所のチームで苦戦しているとなれば気にはなってきます。

それも来期から2部リーグ転落となると更に。

 

というわけで、状況分析してみた。

 

①くのいちの運営母体の経営状況

 

 くのいちは現在「NPO法人」が経営しています。

 なので、県のホームページに決算書が公開されています。

 伊賀FCくノ一 | NPO法人ポータルサイト - 内閣府

 

 そこに出ていた決算書を3期並べてみました。

 

貸借対照表             単位:千円
  26年 27年 28年     26年 27年 28年
現預金 1,648 5,163 3,720   短期借入 20,000 26,000 36,000
流動資産 189 387 119   他流動負債 6,436 14,360 13,773
固定資産 1,756 1,686 1,405   役員借入 2,000 4,160 3,320
          自己資本 -24,843 -37,284 -47,849
総資産 3,593 7,236 5,244   総資産 3,593 7,236 5,244

 

損益計算書       単位:千円
  26年 27年 28年
売上 事業収益 49,597 50,418 56,168
  会費・寄付金 6,913 8,901 11,393
  助成金 14,813 21,066 17,128
  その他 219 88 1,636
  売上合計 71,542 80,473 86,325
経費 事業費 86,663 85,609 87,830
  人件費 2,171 3,190 4,521
  その他 4,526 4,043 4,469
  経費合計 93,360 92,842 96,820
損益 -21,818 -12,369 -10,495

 

決算書が見れる人なら一目瞭然ですが、かなり悪いと言っていいですね。

 

まず、大赤字でかつ債務超過ですから。

債務超過は基本は借入でカバーしているようです。

借入の中心は北伊勢上野信用金庫です。

正直よく金出してるな・・・って感じます。

 

事業収益が、チームの興行による収益ですが、ここは伸びてきています。

それに伴って会費・寄付金も増えており、徐々にながらファンもついてきているという感じでしょうか。

 

事業収益の伸びに対し、事業費用があまり変わらないのは、1試合毎にかかる費用は変わらないからですね。

だとすれば、着実に動員数を増やしていければ黒字化の可能性もある、と。

 

とはいえ、その動員数が問題です。

 

②2018年から2部リーグに転落した影響は?

 

さて、なでしこは2018年から2部リーグで試合をすることになります。

 

Jリーグなどでは補助金などがかなり減るそうですが、なでしこは減るのでしょうか?

その辺りはよくわかりませんでした。

 

しかし、一つ大きな懸念があります。

 

それは動員数が大きく落ちる可能性が高いということ。

 

「いやいや、なでしこリーグなんてそんなにリーグ変わったぐらいじゃ変わんないって」

 

と思われるでしょうが、少し下の表をご覧ください。

 

2017年動員数実績
     
日付 人数 対戦相手
4/2 822 日テレ
4/23 572 ちふれ
5/3 920 浦和レッズ
5/14 1,044 INAC神戸
5/28 683 ジェフ市原
8/26 537 ノジマ
9/9 776 長野
9/24 575 ベガルタ仙台
10/7 744 アルビレックス
4/9 664 INAC神戸
6/4 566 ベガルタ仙台
7/1 729 浦和レッズ
7/22 602 ちふれ
合計 9,234  

 

この表は2017年の伊賀FC主催試合の入場者数です。

なでしこリーグの公式記録から抜き出しました。

 

これを見ると、537人~1,044人とかなりの開きがありますが、対戦相手によって結構バラつきがあるということが分かります。

 

多めなのが、INAC神戸、浦和レッズ、日テレあたりでしょうか。

これらのチームとの試合はやはり同じ伊賀FCの試合でも多少は注目されるのでしょう。

となれば、やはり対戦相手次第で動員数に変化が発生する可能性が高い。

 

そして、これらのチームはすべて1部に残っております。

2部のチームにそれほど動員力の高いチームがあるとは思えません。

 

となれば、ここまで着実に動員数が増えてたのに残念なことですが、2部に降格した今期は動員数の減少は確実でしょう。

 

しかし、逆に言えば、それ以外は大きな影響はないとも言えます。

テレビ放送だって初めからないし、CM・広告だって1部と2部で大きくは変わらないでしょう。

 

だとすれば、今の伊賀FCにできることは、

 

・地元に定着し、ホームゲームでの動員数を着実に上げる。

・できれば1期で1部復帰。

・収支的には急に動員数で黒字化は難しいでしょうから、スポンサーの拡大による寄付金増加

 

このあたりでしょうか。

 

まあ、こんなこと私に言われなくても、当事者たちは十分承知しているのでしょうけど、気になったので調べてみましたとさ。