「モブ子の恋」~田村茜~ マンガレビュー③

題名:モブ子の恋

作者:田村茜

出版:徳間書店

連載:ノース・スターズ・ピクチャーズ

 

徳間書店公式のあとがき

「脇役だって、恋をする。」
20年間、世界の隅で脇役(モブ)として過ごしてきた田中信子(通称「モブ子」)に、初めての恋心が芽生える。好きになった相手は同じバイト先の入江くん。積極的な行動なんて一つもとったことのないモブ子だが、勇気を振り絞って一歩ずつ距離を縮めようと努力する。
ドキドキの大きさに、主役も脇役も関係ない。
今年最も応援したくなる、ささやかで爽やかなラブストーリー!開幕の第1巻♪

 

コミックゼノン

 

何だろう。DD北斗の拳ワカコ酒くらいしか思いつかない。

 

しかし、作品の題名がモブ子って・・・。

 

モブって、最近「脇役」とか「その他大勢」とかいう意味でマンガやゲームで使われたりするけど、実際はどういう意味なのか。

 

mob = 群衆

 

だそうです。

 

群衆 → 一般庶民 → 特別じゃない → その他大勢 という連想でしょうか。

 

とにかく、そういう風に使われるモブ

 

そのモブの名を冠された主人公:田中信子は、その名に恥じぬ地味な女の子。

 

人見知りで、脇役体質(脇役が落ち着く) な女子大生。

 

そんな信子がバイトをして1年になるスーパーで一緒に働くバイト仲間:入江くんのことが気になってきて・・・。

 

という感じのストーリー。

 

ちなみに相方の入江くんもどちらかといえば脇役体質っぽい。

ただ、信子と違い、感情の起伏自体が少なくて恋愛感情にも疎い感じだけども。

 

 

で、この作品、読んでて正直思ったのは、

 

「モブっていうか、単に地味で内気な女の子ってだけじゃね?」

 

とはいえ、今のマンガやアニメ、もしかしたら一般社会でもそうかもしれないけど、

いわゆる「目立つ人・中心になるような人」の反対語が「モブ」なら、これで正解なの

かもしれない。

 

さて、このモブ子、かなりいい感じに内気で引っ込み思案です。

 

ちょいちょい、モブ子の行動や考えを解説するシーンがあるが、まあ「あるある」かなって内容ではある。

 

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このズカズカ距離を詰められる人とそうでない人のコントラストもいい感じ。

 

実際は意外とこういう人たちの方が仲良くなったりするのだけど。

 

個人的にはやっぱこの連絡先のシーンかな。自分もなかなかこっちから聞けないからかもしれないけど。

 

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この聞いてみるシミュレーションをするってのは本当によくわかる。

まあ、誰でもある程度はするのかもしれないけど。

 

で、こう。

 

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そうそう、こう言われたら嫌だから、結局聞けないんだよね。

 

しかし、そんなモブ子がずいぶん踏み込んでいきます。

 

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控室で眠る入江君の眼鏡が落ちそうになっているのを見て、取ってあげるわけです。

この前にいろいろ葛藤や妄想が入るのですが、その後にこのシーン。

 

自分的には二人の上の余白があることで、逆に「二人の空間」って印象を強調してて、いいシーンになっていると感じる。

 

まあ、全体的にこの漫画は突飛なところなどは全くなく、ある意味誰でも経験しそうな話ばかりが出てきます。

 

けど、「むしろそれがいいい」とだんだん思えてくる。

 

日常系マンガっていうけど、意外と「そんな都合のいい話ないやろ」とか思うことの方が多いし、そうでもないとマンガとしては面白くなりにくいと思うけど、この作品は本当にどこでもありそうなストーリー。

 

信子も入江くんもその他の登場人物たちも、どこのスーパーでも似たようなシーンがあっても不思議じゃない、と思わせるほどのある種のリアリティがある。

 

まるで本当にバイト先の同僚の二人を眺めているような気分になる

しかも、その二人がともに奥手ときたら、周りがヤキモキするようになってしまう。

 

正直、レビューするの難しいな、と思ったのです。

ただでさえ、慣れてないのに、どうも絵面が地味なシーンが多いし。

しかし、ついつい応援かねてレビューしちゃいました。

 

しかし、コミックナタリーでの紹介記事にある購入者特典がもらえる店が関西ばっかりなのは何か理由があるんだろうか?

 

もしや作者は関西人なのだろうか?

 

気になる・・・。

 

 

ところで作者の田村茜

 

寡聞にして聞いたことないな・・・新人かな?

 

と思ったのですが、新人ではありません。

 

一応前作「たそがれメモランダム」というマンガが2巻まで出てる。

残念ながらこの漫画も知らないが。